ハイチ こんにちは!6章「テモテ、そしてコンサート」−終わり 

ハイチ こんにちは!
著者 イ·ハンソル
初版2023年8月17日3刷2023年12月20日
夢も生活の場も失ったハイチの人々に愛と希望を植え付けたイ·ハンソルの物語

教会の前にある広い野原を舞台に飾った希望コンサートに人々が席を埋め尽くした。

オカイ教会の聖徒たちと

希望コンサート

私たちはより多くの人々に福音を伝えるために子供たちと一緒に「希望コンサート」を開催することにした。うちの子供たちはほとんど正規教育を受けられず、音楽をちゃんと習った子供が一人もいなかった。ところが、韓国からハイチに1年間海外ボランティアに来た「オ・ダヘ」の学生が音楽を勉強して、子供たちを教えることができた。子供たちは音楽が好きで、コンサートをするといっぱい期待した。毎日一生懸命準備した。するけど、いくらピアノの音を聞いても、ピアノと子供たちの声が伴って遊んだ。教えるのが簡単じゃなかった。それでも子供たちは一晩中ロックの歌を口ずさむほど情熱的に練習した。

ある日の午後だった。教会にとある男がいきなり訪ねてきた。彼は「最近都市が凶悪だから音楽の音が聞きづらいのに、通りすがりに水の中で音楽の音が聞こえて「ここが何するところなのか?」と思い入ってきました。」と言った。彼はその日、聖書の話を交わして救われた。私がもともとここを通る計画ではなかったのに、神様が私を救おうとここに導かれましたね!彼は自分を「オカイ市立合唱団」の団長と紹介し、「もともと音楽に関心が多くてそこに入りますが、今日私の人生で一番大きなプレゼントをもらいました。」

と飛ぶように喜んだ。そして私たちが希望コンサートを準備していると言ったら助けたいって、その日から毎日来て子供たちを教えた。神様が道を開いていくのが明らかだった。

ある日、彼が暗い表情で私を訪ねてきた。子供たちは音楽が好きだけど、基礎があまりにも足りなくて、こんな実力でコンサートをやるのは無理だと言ってた。どうしたらいいかと聞いたら、今回のコンサートは自分が率いる合唱団で開催して、うちの子供たちはもっと練習して来年ぐらいにコンサートをしたらどうだろうと言った。

私はそれでも子供たちが一ヶ月以上あんなに好きで練習しているのに急にできないと言ったらがっかりしそうなので、合唱団とうちの子供たちが合同でコンサートをしたらどうですか?と聞いた。彼はそうすればいいと言って、合唱団のパート別のコアメンバーと楽器を扱える人たちを教会に連れてきた。

その日から合唱団のメンバーたちが唱えると、うちの子供たちが真似して歌うというふうに練習を進めて、そう準備すると歌のレベルがすっかり変わった。一ヶ月くらい合唱団のメンバーたちが毎日来て子供たちと練習して、練習が終わったら私が御言葉を伝えて、話の後は十分ではないけど一緒に食事をした。不思議なことに、一ヶ月そうしたら、合唱団のメンバーがみんな救われた。神様の善良な手が私たちを助けてくれるのを見ると涙が出そうだった。

オカイには公演場として使える劇場やホールがない。ハイチの人たちに公演を観覧するのは贅沢かもしれない。私たちは教会の前にある広い野原を舞台に飾ることにした。牛やヤギが草を摘み、昼間は子供たちがサッカーもするところで、土地の主人に頼んで兄弟たちと地面を片付けた。続いて木を借りて舞台を作り、椅子を借りて座席を作った。色紙と色紙で舞台を飾って、ある兄弟がどこから放送装備まで借りてきた。そうして、オカイの人たちが一度も見たことがない、世界で一番素敵な野外公演場が完成した。

長い間続いた封鎖で、多くの人がちゃんとした食事ができなかった。私たちはコンサートに参加する人たちに温かい食事をご馳走するために豚も一匹捕まえた。生まれて初めて捕まえた豚だった。在来市場で大きな豚を一匹買った後、教会の兄弟が捕まえて手入れした。姉妹たちは久しぶりにやる行事に一ヶ月に走ってきて人手をあげた。ある姉妹は家で育てる野菜を持ってきて祈って、ある姉妹は勤めている会社から支援を受けた砂糖を持ってきて祈った。素敵な舞台と300人分の食事まで全ての準備が終わった。

いよいよ希望コンサートが開かれる日、準備した席が足りないほど多くの人が参加した。聴衆は子供たちの変化した話を聞きながら拍手をして一緒に泣いて笑って喜んだし、合唱が始まるとみんな歌に浸って感激した。特に私が福音を伝える時には、人々が夜空の星のように目をきらきらしながら御言葉を甘く聞いて、アーメンで応えた。その日の夕方、多くの方々が福音を受け入れた。

用意した食事が足りなくて、うちの家族と聖徒たちは結局一切れも食べられなかったけど、誰一人文句を言わなかった。神様があの大勢の人を呼び集めてくださり、福音を伝えさせたのを見て感激した。コンサートが終わったけど、人々はしばらく席を出なかった。まるで久しぶりに月の光を発見したりしたみたい。その場に長く残って、ぺちゃくちゃよく話を交わした。

「最近、人々がこんなにたくさん集まるのを見たことがないのですが、ここに来て言葉を聞いて音楽を聴きながら、神様が私たちを愛し、慰めてくれることを深く感じました。」

多くの人がハイチを「中南米の黒い地」と言うが、私たちにとってハイチは望みの地だ。私たちは必ず人々の心に望みの種を植えるようだった。コンサートの途中で牛が客席に乱入して人々が逃げていくハプニングもあったけど、そのどれも私たちの心の中で望みと喜びを奪うことができなかった。

その日以降、神様が私たちの教会を通じてオカイで力強く働いた。合唱団のメンバーたちが私たちの教会に出始めて、わずか数ヶ月で教会の合唱団のレベルが最高レベルに上がった。すでに窮屈になった礼拝堂で神様を賛美して福音を伝えていた瞬間が忘れられない。都市が封鎖され、兄弟が撃たれながら絶望で始まった不安な出発は、数多くの実になって帰ってきた。

合唱団団長の兄弟は、私たちが行ったコンサートからインスピレーションを受けて、その後、自分が導く合唱団と一緒にコンサートを何度も開催した。教会で、学校で、場所を問わずコンサートを開いて、毎回私を招待して福音を伝えさせた。

「宣教師、私がなぜコンサートをするのかご存知ですか?宣教師がもっと多くの人に福音を伝えられるようにしたいんです。福音が私たちの真の希望です」

合唱団と一緒に数多くの所に通って福音を伝えた瞬間が、まだ鮮明だ。

数年の時間が経ったけど、その日の月の光は私の記憶の中にはっきりしている。たくさんの暗雲が予告なしにやってきて、時には雷や稲妻が鳴るようだったが、神様は忠実に私たちを守った。そして私たちが一歩を踏み出すたびに、数多くの助ける者をつけられた。暗雲はまた来るだろう。しかし、私たちは相変わらず主を見つめるだろう。

6章終わり ・・・7章へ続く

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