ハイチ こんにちは!1章の続き

ハイチ こんにちは!
著者 イ·ハンソル
初版 2023年8月17日 3刷 2023年12月20日
夢も生活の場も失ったハイチの人々に
愛と希望を植え付けたイ·ハンソルの物語

ーハワイのグローバルキャンプに参加して花首飾りを巻いてー

1章の続き

黒く覆われた学生時代

次の日、父は私を屋上に呼んだ。教会は最上階の7階にあって、屋上は8階の高さだった。父は私が見る前で急にすぐでも飛び降りるように手すりの上に足を上げた。

そして私におっしゃった。

私が牧師なのに、自分の子供もまともに育てられないのに、どうやって聖徒たちを教えるのか?私の子供も私の言うことを聞かないのに、私がどんな顔で聖徒たちに話をするの?いくら言っても君が聞かないから、私はもうどうしようもない。私は救われた後、どんなことにも意味を感じなかったし、福音のための人生がとても尊くて自分の人生をここですべてささげた。私は君が望むように昔の人生に戻れない。そして君が問題を起こし続けると恥ずかしくて牧会の道ももう歩けない。だから今日この場所で死のうと思う。君が心を変えないのに、私が牧会をしなければならない理由は何?

いっそここから飛び降りるよ」

しまいには、お父さんが屋上の手すりに登ったのかな?でも、私は父が飛び降りられないという確信があった。私は父が福音をどれだけ愛しているかを一番近くで見た証人だった。じいさんが血縁を断ち切ろうとまでして反対した福音伝道者の道を歩んだし、私たちが様々な困難を経験するたびに福音のせいでそんな困難を経験することができて感謝すると言われた。どんなことにも揺れずに福音のために生きた父を誰よりもよく知っていたから、私がいくら言うことを聞かなくても、さまよってもその道を捨てるはずがないという事実は明らかだった。

頭では父を止めなければならないことを知っていたが、父が飛び降りないことをすでに知っていたので、父を止めなかった。そうしたらお父さんが慌てた。

こいつ、走れっ!

私はびくともしなかった。父はそこまですれば、少なくとも言葉だけでも「間違えました」と言うだろうと思って背水の陣を打ったのに、私が動かずに腕を組んだまま父をじっと見つめていたから、父としては呆れるしかなかったはずだ。考えてみれば、手すりの上に上がってどれだけ困ったんだろう。飛び降りたら死ぬだろうし、また降りてくると息子に負けるみたいになるし。父はどうももこうもできなかった。

ぎこちない時間が、切なく流れていたその時、救世主が現れた。弟が屋上に上がってきたのだ。弟は手すりに上がっておられるお父さんを見て驚いて、お父さんのズボンをつかまえて「お父さん、お父さんが行ったら私たちはどうしろって?私が悪かったです。どうか降りてきてください」と言って泣き出した。父は勝てないふりをして手すりから降りてきた。

そして全てを諦めた表情で、相変わらず硬く立っている私におっしゃった。

こいつ、いくらなんでも父親が目の前で死ぬって言うのに、世の中に1人しかいない息子という奴が止められる気はしないで、じっと見つめてばかりいるのか?私が君の気持ちを変えようと、特別なことを全部やってみたけど、今日になって君と私は一緒に行けないということが分かった。

私は生きながら死ぬ節目に何度も出会ったし、死に対する恐怖と真理に対する喉の渇きがあったから、救われた後、福音が私の命を全部ささげても惜しくないほど尊かった。私は誰が何と言ってもこの福音を離れられない。ところが、一人しかいない息子という奴が、長い日々酒でも飲んで事故に遭うと、心は痛いけど息子を失ったつもりで生きるから、お前も出て孤児だと思って生きろ」父の話を聞いてその日私は家を出た。そのように行動してはいけないことを知っていたけど、私の心を私がコントロールできなかった。

むしろ私がいないほうが父に役に立つと思った

寒い風が吹いたあの日、私は生まれて初めて死にたいと思った。

私のせいで多くの人が苦痛を受けるくらいなら、むしろ死んだ方がいいと思った。もう終わったと思って死ぬと思ったら恐怖と悲しみが押し寄せてきて、私はある建物の階段に座ってしばらく息を殺して泣いた。

私が死んだら両親が一瞬は悲しむだろうが、一生を苦しめながら生きるよりは、むしろ私みたいな奴は早く忘れたほうがいいだろう。

私はちゃんとした人生を生きる自信がなかった。神様を恨んだ。

こんなつもりなら生まれさせるべきじゃなかったでしょ。どうして私を生まれさせたのですか?」階段の片隅で悲しそうに泣いている私を弟が見つけた。弟もどれだけ泣いたか、ふっくらとした目で、お兄ちゃんが家を出て、お母さんがすごく大変だと言って、どうか家に帰ろうと懇願した。勝てないふりをして家に帰ってきたけど、変わったことはなかった。一日一日が苦痛の連続だった。

いっそのこと父がいなかったらいいですね!私は父が牧師なのが恥ずかしいんですよ!」

父と出くわすと毒気な言葉を吐き出した。私が乱暴に走ったら、父は静かに部屋に入った。それでも私は止まらなかった。

死にたいんだよ。いっそ死んだほうがいいんだよ。私をちょっと放っておいてください!」

私は父の胸に数え切れないほど釘を打った。その時私は、見えないところで父がどれだけ泣いていたのか私は分からなかった。

私の学生時代はすっかり黒でいっぱいだった。前が見えない真っ暗なトンネルの中にいるようだった。光は一筋も見えなかったし、トンネルの先も見えなかった。一日一日辛かった。家で両親と出くわすと、水がいっぱいのコップを軽く触るだけで水がこぼれるように、大したことない言葉にも恨みとイライラを吐き出した。家にいるのが嫌で長い日々友達の家と街をぐるぐる回った。

私には明日がなかった。誰かが私にそんな風に生きてはいけないとでも言ったら、「私は20歳になったら自殺するから気をつけてください」と言いながら鋭い言葉を吐き出した。誰も私をコントロールできなかったし、私も私をどうすることができなかった。私は危うくて乱暴だった。

明日がないから怖いものはなかった。つらいなら気を失うまでお酒を飲んで、時間が経つのも忘れてゲームをした。学校に行かない日が多くて、ある日は先生が棒を挙げたけど、負けず嫌いになって最後まで持ちこたえた。先生が殴って疲れて諦めた。誰も私から希望を見つけられなかった。

ハワイ

私が20歳になった時、教会でグローバルキャンプを開催した。ハワイで外国の学生たちと一緒に持つキャンプだった。信仰生活はしなかったけど、ハワイには行ってみたかった。お父さんはキャンプに教師で、私は学生として参加した。

ハワイは美しかった。ヤシの木が長く垂れたビーチが絶品だったし、空がものすごく美しかった。保養地なので、人々は余裕がいっぱいに見えた。私はハワイを象徴する花のネックレスを首に巻いて、気分が盛り上がった。その日の夕方、友達と一緒に飲み屋に向かった。

多くの外国人と踊りながら、時間が経つのも忘れてお酒を飲んだ。一度だけの人生、勝手に生きるんだよ!一晩中お酒を飲んで、夜明け遅く宿に帰ってきた。

次の日はキャンプが始まる日だった。目を覚ますと頭が割れそうに痛かった。やっとしっかりして友達とキャンプの場所に行った。

教会で宿舎を用意してくれたから、キャンププログラムには参加しようというのが私が守れる最低限の礼儀だった。席に座ったんだけど、頭がぐるぐる回ってお腹がよくなかった。トイレに行って小便をするんだけど、隣で用をしていた友達が急に小便器に嘔吐し始めた。お酒の匂いが漂った。私は友達の背中を叩いてあげた。

友達などをしばらく叩いているのに、後ろから誰かが私を見つめている感じがして、思わず首を向けた。キャンプの主講師のパク・オクス牧師が目に入った。トイレにはお酒の匂いが漂い、友達は相変わらず気がつかなくなっていたから、私たちがお酒を飲んだということはすぐに気づく状況だった。

この子たちは誰ですか?

パク牧師が隣にいる他の牧師に聞いた。

はい、イ・ハンギュ牧師の息子イ・ハンソルです。パク牧師に初めて会った日だった。他の子供たちでもなく、牧師の息子が教会でやるキャンプに来て、お酒を飲んで雰囲気を乱すという事実に牧師は腹が立った。その夜、キャンププログラムが終わった後、牧師が私たちを呼んで叱られた。私の心は微動だにしなかった。叱ってもびくともしないと、牧師がこうおっしゃった。

君たちが牧師の息子なのに、むしろ生徒たちに悪い影響を与えるから、これ以上はだめだ。この教会は神様の教会だから、私があなたたちに教会に来るなとは言えないけど、これから青少年行事には参加するな。君たちのせいでいい生徒たちさえ悪い影響を受ける。

ーハワイのグローバルキャンプに参加して花首飾りを巻いてー

私はむしろ身軽だった。牧師さんも私がどれだけめちゃくちゃか知ってたし、もう教会のプログラムに出席しないと両親とぶつかることもなさそうだった。韓国に帰ってくるやいなや、私は荷物をまとめて友達と一緒に昌原にある、ある工場に就職した。友達も牧師の息子で私と似ているところが多くて私たちはよく通じた。友達と一緒なら何でもできそうだった。

・・・続く

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