ハイチ こんにちは!7章「降りそそぐ弾丸の中で」−3

ハイチ こんにちは!
著者 イ·ハンソル
初版2023年8月17日3刷2023年12月20日
夢も生活の場も失ったハイチの人々に愛と希望を植え付けたイ·ハンソルの物語

写真説明 ギャングが撃った銃弾の洗礼を受けて、窓ガラスが割れた警察署の中で

無法天地

マヌエラ・サモは車の外に身を投げ出すように走った。ウォルセンが後ろだった。妻も夢中で走った。私も走り始めた。警察署までは40〜50メートルの距離だったけど、あまりにも遠くに感じられた。「銃に撃たれたらどうしよう?」私は妻の背中だけを見て走った。警察署が目前がだった。

「伏せろ!」

警察が叫ぶ声に私たちはそのまま伏せた。「ダダダーン!」銃の音がついてきた。冷たい土の床だった。警察署の窓が割れて体の上に落ちた。息を吸う鳥もいなかった。ギャングは餌を逃したハンターみたいに腹を立てるように警察署に向かって銃を乱射した。しばらくぶりに銃声が止まった。私たちは急いで体を起こして警察署の中に体を避けた。また銃声が続いて、夢なのか現実なのか見分けがつかなかった。いつギャングが警察署に押し寄せるか分からなかった。

パク牧師に早く連絡しなきゃいけないとしか思えなかった。立ち回って韓国にニュースを送ってみたら、妻とマニュエ魂が半分出ていた。妻の足からは血がだらだら流れていた。どれだけ緊張したのか、妻はそんなことも知らずに両手で耳を塞いだまま床に丸まって座っていた。

その時、ある警察が近づいてきて、こんなことが昨日と今日のことじゃないみたいに言った。3日前に警察署を中心に2つのギャングの間に喧嘩が起きたって言ってた。もともと定着していたギャングは、他のギャングが自分たちの区域を奪わないために、そして他のギャングは区域を拡張するためだった。

彼らはお互いに、誰がもっと残酷で力が強いかを見せるために、人々を無差別に殺して放火していると言った。瞬間、こんな状況をすでに知っていたという警察に腹が立った。

「いや、じゃあさっき行くなと言うべきじゃない、死ぬかもしれないのに何で行けって言ったの?!」

今になって問い詰めても意味がなかったけど、恨み混ざった言葉が思わず飛び出した。警察の声は、数多くの死の前で鈍くなったようだった。

「数日前、車1台がこの道路を通り過ぎて道を塞いでいるギャングと出くわしました。彼らは急いで車を回して警察署の前に車を止めてここに身を避けました」

退屈な小説を話すように彼の声が続いた。

「ところで、その姿を見たギャングが「人々が警察署に行ったら安全だと思うんだね。私たちが警察よりずっと力が強いということを見せなければならないと言って警察署を襲撃しました。その時私たちは3人でした。せいぜい3人だったんですよ」

彼は自分たちの数がはるかに少なかったことを強調した。

「考えてみてください。また考えてみてください。この危険なところで警察3人で何をするんですか?」

彼の声には、すでに諦めた者の深いため息が滲んでいた。

彼らは警察署に押し寄せ、私たちを捕縛しました。抵抗すらできなかったんですよ。それから、もし通りすがりの車や人々を守ってあげて、自分たちに関する情報を流したら、うちの家族を殺すと脅しました。

彼の声がブルブル震えた。

「私の子供たちは彼らが掌握している区域に住んでいるんですよ。うちの家族はギャングの区域の真ん中で毎日苦しんで暮らしているんですよ。ところで、私たちが何をどうしますか?」彼は首をぴょろぴょろと振った。彼の声には怒りすら感じられなかった。やっと警察署に身を避けたけど、警察も頼れない状況だった。

割れた窓ガラスの隙間から日差しが入ってきた。警察署の中で眺めた街は、私の人生で一番衝撃的な光景だった。撃たれた車両数十台があちこちに散らばっていて、ある車の中には運転席に死んだまま座っている人が見えた。街には血と死体が見えて、たまにこの犬たちが死体をちぎって食べる姿も見えた。

生計を立てるためにそこを通らなければならない数十人の村人たちは、両手を頭に上げて捕虜のように群れで移動した。地獄を垣間見るようだった。いつまでそこにいられなかった。出なきゃいけなかったけど、方法が見えなかった。焦った。その時、韓国で私たちの知らせを聞いたパク牧師が急遽電話をくれた。

命を守ってくれた福音

「もしもし。ありがとうございます。牧師さん!」

「ハレルヤ!ハレルヤ!神様、ありがとうございます。罪のしもべとして生きていたあなたの息子を救い、福音のために守ってくださって本当にありがとうございます。」

牧師は私の声を確認するやいなや、電話機をきつく当ててすぐ祈った。銃声は絶え間なく、警察たちすら不安に思っているそこで、牧師の祈りは私たちにとって一筋の光だった。

「君たち夫婦を守った神様を賛美するね。私たちがみんな祈ってるよ。弾丸やギャングが君たち夫婦に危害を与えることができるわけはない。君たちは神様の人だよ」

牧師は巨大な山みたいだった。どんな困難の前でも神様を引き起こした。「そうなんだ。神様が福音のために私たちを守ったことなんだ。運がいいからじゃなくて、福音のせいで私たちを守ったんだね。ハイチに福音がまだ入っていない都市が多いけど、そしたらそこの人たちに福音を伝えられるように最後まで私たちを守ってくださるんだね。」

銃声は相変わらず止まらなかった。時には警察署の目の前にギャングがいるように身近に聞こえた。耳が破れるみたいだった。そういう度に恐怖が怒った波のように私たちの心を襲うようだったけど、私たちは牧師がした祈りを思い出した。死にそうな恐怖の前で牧師の祈りで私たちは福音を思い浮かべ始めた。それ以外は他に道がなかった。そして福音は私たちの心に光になって少しずつ広がり始めた。

牧師と通話するのを見守っていた警察が近づいてきて言った。こんな状況で目を閉じて祈るあなたたちがとても不思議ですね。

「私の師匠の牧師です。」

「こんな状況で祈っている師匠だなんて、本当に立派な方ですね。」

彼の言葉だった。

「昨日でした。あなたたちと同じ席で同じ時間でしたね。狂ったように銃声が鳴り、彼らはその場で全部隠れました。そういえば、あなたたちは同じ状況だったのに誰一人撃たれなかったんですね。あなたたちが信じている神様があなたたちを守りましたね。銃の卵が雨が降る状況で、たった一人も撃たれなかったのは奇跡です」

前日、5人が同じ場所で隠れたなんて背筋がひんやりだったけど、神様は私たちを守った。

脱出

その時刻、私たちの知らせを聞いたハイチの兄弟たちが、私たちを救うために近くまで車を走らせてきた。でも警察署のほうは危険すぎる、車を運転して行ったり来たりする兄弟たちも危険に陥ることができた。兄弟たちはその町をよく知っている現地の人たちを見つけた。ずっと前からそこに住んでいる住民たちはギャングがうまく触れないからだ。難しく、町の住民の中で私たちを救いに来てくれる方々を探した。彼らが私たちがいる警察署まで来て、私たちを連れて兄弟たちのいるところまで行かなければならなかった。危なかったけど、町の住民2人とそこの地理をよく知っているバイクの運転手2人が私たちを迎えに来るって言ってた。

兄弟たちが私に電話して、もうすぐ住民たちが行くから出る支度をしろと言った。間もなく4人がバイク2台を引いて警察署の前に着いた。彼らは早く出ようと催促した。バイクの運転手たちがかぶってきたヘルメットは女たちがかぶって、妻と私は外国人であることをバレないように長い服で肌を覆った。私はある住民が渡した帽子をかぶってTシャツで顔を覆った。

バイク1台に運転手と住民以外に2人ずつ乗れるって言ってた。私たちは5人だから一度に全部出られなかった。

「私が残るよ。またね。あなた先に兄弟たちと教会に行って。」

「狂ってるの?狂ってるの?ここにあなた1人で残ってどうするつもりなの?!」

妻は断固だった。でも、その危険なところに兄弟を残して、私、先に抜け出すのが進まなかった。

「大丈夫です。少々お待ちください。バイクが行ってから帰ってきたらその時行くよ」

「頑固になるのはやめて。あなたも一緒に出かけなきゃ」

妻はしつこく話したけど、私は到底先に行けなかった。

一時が急な状況でバイクに乗らずに時間を引こうと、もどかしかった。住民が会話に割り込んだ。

「宣教師さん、あなたたちは外国人なので、あなたたちが先に出なければなりません。

ここの 現地の 兄弟は ここの 住民の ふりをしたら ギャングが 傷つけませんよ。あなた

たちは違いますよ。あなたの妻が無事に出かけるとしても、ギャングがその事実を知れば、あなたはむしろもっと大きな危険に陥るかもしれません。今こうしている時ではありません!早く乗ってください!」

彼は焦って言った。

「宣教師さん、私はハイチ人なので大丈夫です。私はどうしても出られるから心配しないで先に行ってください」

モアメットが私を押しのけた。遅滞する暇がなかった。バイクの運転手の後ろに私の妻が乗って、その後ろに私が座った。私の後ろには近所の住民が乗った。私たちはお互いをしっかり握って、私は全身で妻を包んだ。

荒れ果てた道にバイク2台が登場したら、ギャングたちの目にすぐついた。私の後ろに乗った住民は自分の顔を指さして、走る間ずっと大声で「私は000であり、この町の住民です」。と叫んだ。お前らがよく知っている近所の人だから、撃つなという合図だった。バイクは曲芸をするように走った。燃えるタイヤと石積みの間を横切ってしばらくして、私たちは兄弟たちが待っているところに無事に到着できた。

兄弟たちの顔を見て安心する間もなく、住民たちが車のガラスを叩いた。早く出発しろって、指で後ろを指さして運転席にいる兄弟を打った。バイクに町内の住民ではなく、外国人が乗っているのを遅ればせながら発見したギャングが銃を持って私たちに向かって走ってきているのが見えた。私たちはまた逃げ始めた。兄弟はそれこそ狂ったように車を運転した。車の中でも頭を下げたまま胸を縮めなければならなかった。ずいぶん後、私たちは教会に着くことができた。警察署に閉じ込められてから6時間ぶりだった。

・・・続く

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