ハイチ こんにちは!7章 「雨の弾の中で」−1

ハイチ こんにちは!7章 
著者 イ·ハンソル
初版2023年8月17日3刷2023年12月20日
夢も生活の場も失ったハイチの人々に愛と希望を植え付けたイ·ハンソルの物語

その子は両手で私の頭を覆った。他の子供たちも手を広げて頭を覆い始めました。「雨が降ると風邪をひくので、私たちが手で傘を作ってあげます。」

「トゥフディノー」との最初の出会い

ハイチの首都から車に乗って北へ6時間走ると、土で建てられた家が立ち並ぶ小さな町が出てくる。家の壁にはペンキを塗る代わりにさざえや貝殻がいっぱいで、子供たちは裸足で赤い土棒でビニール袋で作ったボールを蹴って走り回って、塀のある家がほとんどないほど平和なそこは「トゥフディノー」という田舎の都市だ。

急ににわか雨が降った。私は雨を避けるために木の下に入った。雨が激しくなり、あちこちに雨水が溜まって、たちまち水たまりができた。子供たちが待っていたように、四方から裸で水たまりの主辺に集まって、お互いに水をかけて踊りながら楽しく走り回った。

多分久しぶりに降る雨が嬉しかっただろう。しばらく走り回っていた子供たちが雨を避けて木の下にいる私を見つけた。ある子が私に向かって走ってくると、他の子たちも追って走ってきた。あっという間に私は子供たちに囲まれた。

急に一人の子供が両手を大きく広げた。外国人の私にチョコレートをくれと言っているんだと思って、ポケットに手を入れて何もないって、申し訳ないと表示しようと体を起こした。ところが、その子が両手で私の髪を覆った。すぐに他の子供たちも手を広げて私の頭を覆い始めた。

「雨に降ったら風邪をひくので、私たちが手で傘を作ってあげます。」

もみじのような手で子供たちが作ってくれた傘の下で、私はしばらくのあいだ動くことができなかった。恥ずかしかった。純粋な子供たちに向かって、私は何を考えていたんだろう?今まで子供たちがいつもそうだったから、今回もそうするよ。私は子供たちの心を見るとは思わなかった。雪が溶けると、命がいっぱい詰まった青い地が見えるように、私の心の中に鎮座していた古い偏見が溶けて、やっと子供たちの純粋な心が見えた。それがトゥフディーノとの初めての出会いだった。

私はそこで1週間の集会を導いた。この前、救われたある姉妹が自分の村で集会をしてほしいと頼んだからだった。姉妹は工場で働いていて、片腕のない母が姉妹の幼い娘を故郷の家で世話をしていた。夫は子供だけ産んで姉妹から逃げ去った一人で幼い娘をどう育てたらいいか考えると、前が真っ暗な時、姉妹は救われた。神様は暗かった姉妹の家庭に光になってくれて、姉妹は会う人ごとに福音を伝え始めた。

私がその都市に行くと言ったら、姉妹は走るように喜んだ。町には集会をするにふさわしい場所がなかった。姉妹は町の住民たちと一緒に家の前庭に木を立ててテントをかぶせて集会の場所を作った後、人々を招待した。一日中畑の仕事をして、汗に濡れた住民たちが疲れた体を率いて来て席を埋め尽くした。目を輝かせながら私を見つめる住民たちに、スピーカーがなくて、私は村中に聞こえるほど怒鳴りながら福音を伝えた。話を終えて個人相談までしたら、周りはもう真っ暗だった。

いつの間にか姉妹のお母さんは、不便な片腕で井戸から水を汲んできて、炭火で温めて、私がお湯で洗えるように準備しておいた。若い私が持ってもフラフラするほど大量の水だった。

お姉さん、明日は私が直接引いて来ればいいです。次の日も、その次の日も姉妹のお母さんは水を汲んできて暖かく温めておいた。

「宣教師さん、私たちは水を汲んでくるのに慣れています。宣教師は本当に席も不便だし、食事も口に合わないはずなのに、毎日声が出ないくらい福音を伝えてくれるじゃないですか。宣教師が倒れたらどうしますか?宣教師は思いっきり福音だけ伝えてください」姉妹の家族は一週間私を手厚く摂ってくれた。月明かりさえ見える静かな夜、庭で炭火に乗せたサツマイモを手に握ってホホ吹きながらぼそぼそと話していたあの夜が忘れられない。

トゥフディーノで過ごした一週間の間、私は夢を見るように幸せだった。心残りな足取りで首都に戻ろうとするんだけど、姉妹の母が私の腕を掴んだ。

「宣教師さん、ここにも礼拝堂ができるように祈ってください。」

疲れた体を率いて来て、言葉を甘く聞いていた多くの人たち、この純粋な子供たち、そして黙々と裏で働いてくれた姉妹の家族と救われて限りなく喜んでいた人たちの顔が走馬灯のようによぎった。

その後、私は目を閉じるたびにそこに礼拝堂ができることを祈った。

・・・続く

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